若きアスリートの肘を脅かす障害

野球肘は、正式には「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎」などと呼ばれ、主に野球選手や投球動作を繰り返すスポーツ選手に見られる肘の障害です。

原因

繰り返される投球ストレス

野球肘の主な原因は、投球動作による肘への過度な負担です。特に成長期の子供たちは、骨端線(成長軟骨)が未閉鎖のため、より傷つきやすい状態にあります。不適切な投球フォームや、投げすぎによる疲労も大きな要因となります。

症状

痛みと動きの制限

野球肘の典型的な症状には以下があります

  • 投球時や投球後の肘の痛み
  • 肘の曲げ伸ばしがしづらくなる
  • 全力で投球できなくなる
  • 日常生活でのちょっとした肘の動作でも痛みを感じる

診断と治療

早期発見が重要

診断は主に問診、触診、レントゲン検査、MRI検査などで行われます。治療の基本は以下の通りです

  • 投球の中止と安静:炎症を鎮静化させるため、局所安静が重要
  • リハビリテーション:ストレッチや筋力トレーニング
  • PRP療法:患者の血液から抽出した血小板を注射する再生医療
  • 体外衝撃波治療:衝撃波を患部に照射する新しい治療法

多くの場合、保存療法で改善が見られますが、症状が進行した場合は手術が必要になることもあります。

予防と注意点

野球肘の予防には以下が効果的です

  • 十分な準備運動とアイシング
  • 適切なサポーターやテーピングの使用
  • 正しい投球フォームの習得
  • 投球数の管理と十分な休息

これらの症状が気になる場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。当院では対外衝撃波の導入、投球フォームの解析、指導を行っております。