腰の痛みの正体

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板が飛び出す(ヘルニア)ことで起こる腰痛の代表格です。重い物を持ち上げる仕事をする人やデスクワーカー、スポーツ選手など、幅広い層に影響を及ぼす厄介な症状です。

原因

クッションの破綻

腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、椎骨間のクッションの役割を果たす椎間板の変性と損傷です。加齢や過度の負荷により、椎間板の外側にある線維輪が弱くなり、内部の髄核が飛び出してしまいます。重量物の持ち上げや不適切な姿勢の継続が、この過程を加速させます。

症状

痛みとしびれの二重奏

典型的な症状には以下があります

  • 腰痛:特に前かがみの姿勢で悪化
  • 下肢のしびれや痛み:坐骨神経痛として現れることも
  • 咳やくしゃみで痛みが増強
  • 重症化すると、足の筋力低下や排尿障害が生じることも

診断と治療

保存療法が基本

診断はMRIなどの画像検査で行われます。治療の基本は以下の通りです

  • 保存療法:安静、薬物療法、物理療法が第一選択
  • 運動療法:腰部の安定性を高めるエクササイズ
  • 装具療法:コルセットの使用で腰部の負担を軽減
  • ブロック注射、ハイドロリリース:痛みの軽減に効果的
  • 手術:保存療法で改善が見られない場合や重度の神経症状がある場合に検討

予防と注意点

予防には以下が効果的です

  • 適切な姿勢の維持と腰への負担軽減
  • 定期的な運動による体幹筋の強化
  • 過度の体重増加を避ける

早期発見・早期治療が重要です。腰や足に持続的な痛みやしびれを感じる場合は、速やかに専門医の診察を受けることをおすすめします。