肘の外側の痛みの正体

テニス肘は、正式名称を「上腕骨外側上顆炎」という、肘の外側に生じる厄介な痛みの代名詞です。テニスプレイヤーだけでなく、デスクワーカーや主婦など、日常生活で手をよく使う人にも忍び寄る厄介者なのです。

原因

繰り返される小さな傷

テニス肘の主な原因は、手首を動かす筋肉(特に短橈側手根伸筋)の過度な使用です。日常生活やスポーツでの手首の酷使が主犯となり、重い物を持ち上げたり、パソコン作業でマウスを繰り返し操作したりすることで、肘の外側の腱に微細な損傷が蓄積されていきます。

症状

握る、伸ばす、そして痛む

テニス肘の典型的な症状には以下があります

  • 物を掴む、ドアノブを回す、タオルを絞るなどの動作で肘の外側に鋭い痛みが走る
  • 手首を反らせたり、内外にひねったりする動作で痛みが生じる
  • 重症化すると、コーヒーカップを持つのも困難になる

診断と治療

休息とリハビリが鍵

診断は主に症状の聴取と触診、疼痛誘発テストなどで行われます。治療の基本は以下の通りです

  • 患部の休息:炎症を鎮静化させるため、局所安静が重要
  • 保存療法:湿布や鎮痛剤の使用
  • リハビリテーション:ストレッチや筋力トレーニング
  • 物理療法:温熱療法や冷却療法
  • 体外衝撃波(当院では導入済):衝撃波を患部に照射する整形外科では新しい治療法
  • ブロック注射:ステロイドを患部に注入

予防と注意点

テニス肘は油断大敵です。予防には以下が効果的です

  • 適切なストレッチと筋力トレーニング
  • 正しいフォームでのスポーツ実践
  • 日常生活での過度の手首の使用を避ける

早期発見・早期治療が、あなたの肘を救う近道です。症状が気になる場合は、速やかに専門医の診察を受けることをおすすめします。