2026.7.4 Sat. 【要注意】変形性膝関節症でしてはいけない運動を解説 膝 日常生活で膝の痛みを感じていませんか?階段の上り下りや立ち上がり時に痛みを感じたり、膝に違和感があったり…もしかしたら、それは変形性膝関節症のサインかもしれません。 高齢者に多い病気と思われがちですが、実は若い世代でも発症する可能性があり、近年患者数が増加傾向にあります。初期症状は軽微なため見過ごされがちですが、放置すると進行し、日常生活に支障をきたすほどに悪化することも。 この記事では、変形性膝関節症で絶対にやってはいけない運動を具体的に解説します。ジャンプや激しい運動はもちろん、正座やあぐらといった日常動作も要注意です。さらに、症状の進行段階や効果的な運動療法、体重管理の重要性についても詳しく解説します。 米国リウマチ学会/関節炎財団のガイドラインにもあるように、早期発見と適切なケアが重要です。膝の痛みにお悩みの方は、ぜひこの記事を読み、自身の健康状態を見つめ直してみませんか?あなたの膝の健康を守るための知識が、ここにあります。 目次1 変形性膝関節症の理解:主な症状と進行段階1.1 膝関節の痛みや可動域制限の具体例1.2 症状の進行段階に応じた変化1.3 変形性膝関節症の診断方法2 避けるべき運動:変形性膝関節症に悪影響を与える動作2.1 特に注意が必要な激しい運動2.2 膝への負担が大きい運動種目2.3 運動の頻度と絶対に避けるべきエクササイズ3 膝関節を守るための生活習慣と運動法3.1 日常生活での膝への負担を軽減する方法3.2 効果的な運動療法と推奨される活動3.3 健康的な体重管理の重要性とその方法4 まとめ5 参考文献 変形性膝関節症の理解:主な症状と進行段階 変形性膝関節症は、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかり合うことで炎症や痛みが生じる病気です。高齢者に多い病気ですが、若い方でもスポーツ外傷や肥満、遺伝などが原因で発症することがあります。 膝関節の痛みや可動域制限の具体例 初期症状として最も多いのは、立ち上がりや歩き始めの痛みです。特に、朝起きた時や、長時間座っていた後に立ち上がろうとすると、膝に強い痛みを感じることがあります。これは、安静にしている間に膝関節の炎症が強まり、動き出す際に負担がかかるためです。 私の患者さんでも、最初は「立ち上がった瞬間だけ少し痛む程度だった」という方が、次第に「階段の上り下りがつらくなった」「正座ができなくなった」と訴えるようになるケースが多く見られます。買い物や散歩など、日常生活にも支障が出てくるため、QOL(生活の質)が低下してしまうのです。 症状 具体例 痛み 立ち上がり、歩き始め、正座、階段の昇降時、安静時 こわばり 朝起きたとき、長時間同じ姿勢でいた後 腫れ 関節が熱を持つ、水が溜まる 動かしにくい 膝が曲がりにくい、伸びにくい、完全に伸び切らない、深く曲がらない 音 膝を動かすとゴリゴリ、カクカク音がする、ミシミシ音がする その他 膝の違和感、不安定感 症状の進行段階に応じた変化 変形性膝関節症は、初期・中期・末期の3段階に分けられます。初期段階では、安静にすれば痛みは治まりますが、中期になると痛みが持続するようになり、膝に水が溜まることもあります。末期になると、常に強い痛みがあり、膝の変形も顕著になります。 初期段階: 立ち上がり、歩き始めなどに一時的な痛みを感じる。安静にすると治まる。軟骨のすり減りは軽度。 中期段階: 痛みが持続するようになる。膝が腫れたり、水が溜まることもある。正座や階段の昇降が困難になる。軟骨のすり減りが進行し、骨棘形成が始まる。 末期段階: 常に強い痛みがある。膝の変形が著しく、歩行が困難になる。日常生活に大きな支障が出る。軟骨が消失し、骨同士が直接接触する。変形が高度に進行する。 変形性膝関節症の診断方法 診断には、問診、視診、触診、画像検査を行います。問診では、痛みの程度や日常生活への影響などを詳しく伺います。視診や触診では、膝の腫れや変形、動きの範囲などを確認します。レントゲン検査では、関節の隙間が狭くなっているか、骨棘という骨の突起があるかを確認します。変形性膝関節症の診断においては、レントゲン検査が重要です。レントゲン写真で関節裂隙の狭小化や骨棘といった特徴的な所見が認められることで、診断が確定されます。 また、MRI検査を行うことで、軟骨や靭帯、半月板といった軟部組織の状態をより詳細に評価できます。これらの検査結果と患者さんの症状を総合的に判断し、適切な治療方針を決定します。 避けるべき運動:変形性膝関節症に悪影響を与える動作 特に注意が必要な激しい運動 変形性膝関節症の方は、膝関節への負担が大きい激しい運動は避けるべきです。 例えば、バスケットボールやバレーボールのようにジャンプや着地を繰り返す運動は、膝関節に大きな衝撃を与えます。健康な方でも、ジャンプの着地の際に膝を痛めるケースは少なくありません。ましてや、軟骨がすり減っている変形性膝関節症の患者さんであれば、なおさらリスクが高いと言えるでしょう。 テニスやバドミントンなど、素早い動きや方向転換を伴う運動も、膝関節をひねったり、負担をかけたりする可能性があります。急な方向転換は、膝関節の靭帯や半月板を損傷するリスクも高めます。 長距離走やマラソンなど、長時間走り続ける運動は、膝関節への負担が蓄積し、痛みを悪化させる可能性があります。 これらの運動は、健康な方でも膝を痛めるリスクがあるため、変形性膝関節症の方は特に注意が必要です。 膝への負担が大きい運動種目 激しい運動以外にも、変形性膝関節症の方が避けるべき運動があります。 例えば、正座やあぐら、階段の上り下りなどは、膝関節への負担が大きいため、痛みが増す可能性があります。和式トイレの使用も、膝を深く曲げる必要があるため、負担がかかりやすいです。 私の患者さんの中には、趣味の登山を続けたいという方がいらっしゃいました。しかし、登山は下山時に膝に大きな負担がかかるため、変形性膝関節症を悪化させる可能性があります。そこで、私はその患者さんに、平坦な道をウォーキングするなど、膝への負担が少ない運動を提案しました。 運動種目 膝への負担 正座 大 あぐら 大 階段の上り下り 大 和式トイレの使用 大 ジョギング 中 水泳 小 上記はあくまでも目安です。痛みの程度や膝の状態によって、運動の可否は異なります。 運動の頻度と絶対に避けるべきエクササイズ 運動は、変形性膝関節症の症状改善に役立ちますが、適切な頻度と強度で行うことが重要です。痛みがある場合は、無理に運動を続けるのは避けましょう。また、スクワットやランジなど、膝を深く曲げる運動は、症状を悪化させる可能性があります。 運動の頻度は、週に2~3回程度が適切です。運動の強度は、軽い痛みを感じる程度を目安に、無理のない範囲で行いましょう。激しい痛みを感じる場合は、すぐに運動を中止してください。 膝関節を守るための生活習慣と運動法 日常生活での膝への負担を軽減する方法 日常生活の中で、何気なく行っている動作が膝に負担をかけていることがあります。少し意識を変えるだけで、膝への負担をぐんと減らすことができるのです。 例えば、重い荷物を持つ時は、両手に持つのではなくリュックサックを使うようにすると、膝への負担を分散させることができます。また、正しい姿勢を保つことも重要です。猫背は、体の重心が前方に移動し、膝への負担が増加するため注意が必要です。階段の上り下りでは、手すりを使うことで膝への負担を軽減できます。手すりにつかまることで体重を支え、膝への負担を分散できるからです。 和式トイレは、膝を深く曲げる必要があるため、負担が大きくなってしまいます。可能であれば、洋式トイレを使用するようにしましょう。椅子に座るときは、膝の高さと椅子の高さを同じくらいにすることで、膝への負担を軽減できます。ベッドから起き上がる時は、横向きに寝返りをうってから、手を使って体を支えながらゆっくりと起き上がると、膝への急激な負担を避けられます。 これらの工夫は、変形性膝関節症の予防にもつながります。初期段階では自覚症状がない場合もありますが、軟骨のすり減りは徐々に進行していくため、日頃から膝への負担を意識することが大切です。 効果的な運動療法と推奨される活動 変形性膝関節症と診断されると、「運動なんてとんでもない!」と思っていませんか?実は、適度な運動は膝関節の健康維持にとても重要なのです。特にウォーキングや水中ウォーキング、太極拳などの運動は、膝への負担が少なく、関節の動きをスムーズにする効果が期待できます。 ウォーキングは、膝周りの筋肉を強化し、関節の安定性を高める効果があります。無理のないペースで、休憩を挟みながら行うことが大切です。水中ウォーキングは、水の浮力で膝への負担を軽減しながら、筋力トレーニングができます。水温に注意し、適切な温度で行いましょう。太極拳は、関節の柔軟性を高め、バランス感覚を養う効果があります。正しいフォームで行うことが重要です。 高齢者の患者さんの中には、「運動なんて無理だ」と諦めている方もいらっしゃいますが、適切な運動は、痛みの軽減だけでなく、生活の質の向上にもつながります。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、無理のない運動プログラムを提案するようにしています。 健康的な体重管理の重要性とその方法 体重が増えると、膝にかかる負担も大きくなります。1kg体重が増えるごとに、膝には3~6kgの負担がかかると言われています。つまり、5kgの減量で、膝への負担を15~30kgも軽減できる可能性があるのです。 健康的な体重管理には、バランスの取れた食事と適度な運動が不可欠です。野菜や果物を積極的に摂り、揚げ物や甘いものは控えめにするなど、食生活の改善を心がけましょう。また、毎日30分程度のウォーキングなどの運動も効果的です。 2021年のJAMAのレビューでも、体重減少は変形性膝関節症の管理の基礎として強調されています。肥満は変形性膝関節症の大きなリスクファクターであるため、体重管理は非常に重要です。特に、BMIが高い患者さんには、食事指導や運動療法を積極的に勧めています。 まとめ 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで起こる病気で、痛みや動きの制限を引き起こします。進行性の病気なので、早期発見と適切な対応が大切です。この記事では、悪化を招く運動や、膝への負担を軽減する生活習慣、効果的な運動療法について解説しました。 激しい運動や、膝を深く曲げる動作は避けましょう。正座やあぐら、階段の上り下りなどは膝への負担が大きいため注意が必要です。日常生活では、重い荷物を持つ際はリュックサックを使用したり、正しい姿勢を保つなど工夫することで、膝への負担を軽減できます。 運動療法としては、ウォーキングや水中ウォーキング、太極拳などがおすすめです。ただし、痛みがある場合は無理せず、軽い運動から始めましょう。また、健康的な体重管理も重要です。体重を減らすことで、膝にかかる負担を軽減できます。バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。 変形性膝関節症は完治が難しい病気ですが、適切なケアを行うことで症状の進行を遅らせ、快適な生活を送ることが可能です。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、医師と相談して最適な治療法を見つけることが大切です。 不安なことがあれば、いつでも医療機関にご相談ください。 当院では、レントゲンはもちろん、必要に応じて当日予約可能なオープンMRIを用いた詳細な診断を行っています。スポーツをされているお子様から大人の方まで、門真市だけでなく、大阪市鶴見区、大東市、守口市、寝屋川市、四條畷市など専門的な診断を希望される多くの患者様にご来院いただいております。 予約はこちら 参考文献 Kolasinski SL, Neogi T, Hochberg MC, Oatis C, Guyatt G, Block J, Callahan L, Copenhaver C, Dodge C, Felson D, Gellar K, Harvey WF, Hawker G, Herzig E, Kwoh CK, Nelson AE, Samuels J, Scanzello C, White D, Wise B, Altman RD, DiRenzo D, Fontanarosa J, Giradi G, Ishimori M, Misra D, Shah AA, Shmagel AK, Thoma LM, Turgunbaev M, Turner AS and Reston J. “2019 American College of Rheumatology/Arthritis Foundation Guideline for the Management of Osteoarthritis of the Hand, Hip, and Knee.” Arthritis care & research 72, no. 2 (2020): 149-162. Katz JN, Arant KR and Loeser RF. “Diagnosis and Treatment of Hip and Knee Osteoarthritis: A Review.” JAMA 325, no. 6 (2021): 568-578. 2019年米国リウマチ学会/関節炎財団ガイドライン 【要注意】変形性膝関節症でしてはいけない運動を解説 臨時休診のお知らせ 7月代診日につきまして 肉離れを予防する方法|ウォーミングアップから筋力トレーニングまで 当院のMRI予約が取りづらい状況につきまして