小児側弯症検診の重要性とガイド

側弯症とは?背骨の曲がり、見逃さないで

側弯症は背骨が左右に曲がり、ねじれを伴う状態を指します。特に成長期の子どもに多い病気で、日本では約2%の子どもが発症するとされます。

側弯症はそのまま放っておくと背骨の変形が進行し、重度になると肺や心臓に影響が出ることもあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。


なぜ側弯症検診が必要なのか?

側弯症は初期に痛みや目立った症状がほとんどないため、家庭で見逃されやすい疾患です。学校健診や自治体の検診で定期的に行うことで、

  • 病気の早期発見
  • 適切な保存療法(装具治療など)の開始
  • 進行を防ぎ、手術の回避や軽減

を目指しています。


側弯検診はいつ?誰が受ける?

主に小学校高学年から中学生(10歳前後から15歳頃)を対象に学校健診で実施しています。
これは思春期に側弯症が発症・進行するケースが多いためです。自治体によっては保育園・幼稚園児など低年齢層の検診も取り入れています。


ご自宅でできる簡単チェック方法

側弯症を疑うなら、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。

  1. 立位チェック(後ろ向きに立ち、「気を付け」の姿勢)
    • 肩の高さの左右差
    • 肩甲骨の突出や高さの差
    • ウエストライン(脇のライン)の左右非対称
  2. 前屈検査(腰かけから前にゆっくりおじぎ)
    • 肋骨や腰の左右の盛り上がり(肋骨隆起)があるか

これらのどれか一つでもあれば、専門医の診察を受けることをおすすめします。


医療機関での検診方法

専門医による側弯検診はさらに詳しく行われます。

  • 身体計測や姿勢観察で異常を確認
  • 立位と前屈姿勢で筋肉の左右差、肋骨隆起をチェック
  • 必要に応じてレントゲン検査を行い、背骨の曲がり具合(「コブ角」)を測定

コブ角が10度を超えると側弯症と診断され、進行リスクに応じて治療や経過観察が検討されます。


治療の基本は早期発見・保存療法

側弯症治療は進行防止が中心で、主に以下の3段階があります。

  • 経過観察:コブ角が小さく成長が終了した場合、観察のみで済むことも。
  • 装具療法:成長期に15度以上の曲がりや進行傾向がある場合に開始。装具で背骨の進行を抑え、重症化を防ぎます。
  • 手術療法:進行が著しく、肺機能障害のリスクがある場合に検討されます。

装具療法は子どもに負担なく行えるもので、多くの患者で進行を食い止められます。


側弯症を予防・早期発見するためにできること

  • ご家庭での定期的なチェック(前記の簡単検査方法)
  • 学校や自治体の検診を必ず受ける
  • お子さんの姿勢や左右のバランスに注意し、異常があれば整形外科を受診
  • 適度な運動や筋力強化(専門家の指導で)

これらが早期発見と重症化防止に大きくつながります。


Q&A よくある相談

Q1: 側弯症は痛みがありますか?
多くは初期に痛みがなく、気づかれにくいです。進行してから痛みや背中の違和感が出る場合があります。

Q2: どうして背骨が曲がるの?
原因不明の特発性側弯症が約80%を占めますが、一部に先天性や神経筋疾患によるものもあります。

Q3: 装具療法は子どもにとってつらくない?
現代の装具は軽量で着脱簡単。子どもの成長に合わせて調整され、負担軽減に努められています。


まとめ:側弯症検診は子どもの未来への大切なステップ

側弯症は見た目だけでなく、成長や健康に大きな影響をおよぼす可能性のある病気です。放置せず、学校健診や自治体の検診を活用し、ご家庭でも気になる症状があればすぐに専門医に相談しましょう。

早期発見と適切な治療で、痛みのない美しい姿勢を保ち、健やかな成長をサポートします。未来の健康のため、側弯検診をぜひ積極的に受けてください。

当院でも気軽にご相談を承りますので、いつでもご連絡ください。

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