2025.11.9 Sun. 椎間板ヘルニアは自然吸収される?見分け方を整形外科専門医が解説 腰 腰の痛みやしびれ、もしかして椎間板ヘルニアかも?と不安を抱えている方は少なくないでしょう。 手術が必要なのでは…と心配されている方もいるかもしれません。実は、多くの椎間板ヘルニアは自然に治る可能性があることをご存知ですか? 目次0.1 椎間板ヘルニアが自然に治る?そのメカニズムと可能性0.1.1 椎間板ヘルニアの自然治癒のメカニズム0.1.2 自然治癒しやすいヘルニアの特徴0.1.3 自然治癒が難しいヘルニアの特徴0.1.4 椎間板ヘルニアが自然治癒するまでの期間0.1.5 自然治癒を促進するための生活習慣0.2 まとめ0.3 参考文献1 【門真南駅から徒歩0分】むとう整形外科・MRIクリニック|鶴見区・大東市・守口市からのアクセス便利 椎間板ヘルニアが自然に治る?そのメカニズムと可能性 椎間板ヘルニアと診断されると、手術が必要なのではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。多くの椎間板ヘルニアは自然に治る可能性があります。この記事では、椎間板ヘルニアが自然に治るメカニズムや可能性、自然治癒を促すための生活習慣などについて、整形外科専門医の視点からわかりやすく解説します。 椎間板ヘルニアの自然治癒のメカニズム 椎間板ヘルニアが自然に治るメカニズムは、大きく分けて「炎症の軽減」「髄核の吸収」「神経の回復」の3つの段階があります。炎症が起きたばかりのヘルニアは、組織の損傷による炎症物質が神経を刺激し、痛みやしびれなどの症状を引き起こします。しかし、時間の経過とともに炎症は徐々に治まり、症状も軽くなります。 突出していた椎間板の中心部である髄核は、ゼリー状の物質です。この髄核は、体内の免疫細胞の働きによって、マクロファージなどの貪食細胞によって異物として認識され、徐々に分解・吸収されていきます。これにより、神経への圧迫が軽減され、症状が改善します。 ヘルニアによって圧迫されていた神経は、圧迫が軽減されると徐々に回復し始めます。神経は再生能力を持っているため、圧迫がなくなると再び正常な機能を取り戻すことができます。 自然治癒しやすいヘルニアの特徴 自然治癒しやすいヘルニアの特徴としては、症状が軽い、神経への圧迫が少ない、年齢が若いなどが挙げられます。 ある研究によると、ヘルニアの突出方向も自然治癒に影響すると言われます。例えば、神経根と正反対の方向にヘルニアが突出している場合は、自然治癒する可能性が高いととのことです。また、第4腰椎の後方高さが大きい、骨盤の傾きが大きいなども関与するとの研究結果もあります。 具体的には、痛みやしびれが軽度で、日常生活に支障がない程度であれば、自然治癒する可能性が高いと考えられます。また、MRI検査などでヘルニア状態を把握することで自然治癒可能かを予測することができます。 自然治癒が難しいヘルニアの特徴 反対に、自然治癒が難しいヘルニアの特徴としては、症状が重い(激しい痛みやしびれ、麻痺など)、神経への圧迫が強い、ヘルニアのサイズが大きい、年齢が高い、馬尾症候群などの合併症がある、繰り返しヘルニアになっているなどが挙げられます。 特に、排尿・排便障害などの馬尾症候群の症状がある場合は、緊急手術が必要となる場合もあります。また、何度も同じ場所にヘルニアを繰り返す場合は、椎間板が弱くなっていることが考えられるため、自然治癒が難しく、手術が必要となる可能性が高くなります。 椎間板ヘルニアが自然治癒するまでの期間 椎間板ヘルニアが自然治癒するまでの期間は、患者さん一人ひとりで大きく異なります。一般的には、数週間から数ヶ月程度かかると言われていますが、症状の程度や個人の体質、生活習慣などによって大きく変わるため、一概には言えません。 当院では、定期的な診察と画像検査を行いながら、経過観察を行います。その際、患者さんの症状やヘルニアの状態を丁寧に説明し、今後の見通しについてもお伝えするようにしています。 自然治癒を促進するための生活習慣 椎間板ヘルニアの自然治癒を促進するためには、日常生活における適切なケアが重要です。具体的には、安静、適切な姿勢、腰への負担軽減、適度な運動、禁煙などが挙げられます。 安静は、炎症を抑え、痛みを軽減するために重要です。痛みが強い場合は、無理に動かず、安静を保つようにしましょう。しかし、長期間の安静は筋力低下につながるため、痛みが落ち着いてきたら、徐々に体を動かすようにしてください。 適切な姿勢を保つことは、腰への負担を軽減するために重要です。立っているときは、背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めるように意識しましょう。座っているときは、深く腰掛け、背もたれに寄りかかるようにしましょう。 重いものを持ち上げたり、無理な姿勢を避け、腰への負担を軽減することも重要です。また、適度な運動は、血行を促進し、筋肉を強化することで、ヘルニアの自然治癒を促進する効果が期待できます。ウォーキングや水泳など、腰に負担をかけない運動がおすすめです。 さらに、喫煙は椎間板の変性を促進するため、禁煙も重要です。禁煙することで、椎間板への血流が改善し、治癒を促進する効果が期待できます。 >>坐骨神経痛でやってはいけないこと|専門医が警告する悪化のリスク まとめ 椎間板ヘルニアは自然に治ることもありますが、症状が重い場合や神経症状がある場合は、手術が必要になることもあります。日常生活では、腰への負担を減らし、適度な運動と正しい姿勢を心がけることで、再発予防に繋がります。そして、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 参考文献 Hornung AL, Barajas JN, Rudisill SS, et al. Prediction of lumbar disc herniation resorption in symptomatic patients: a prospective, multi-imaging and clinical phenotype study. Spine J. 2022; DOI: 10.1016/j.spinee.2022.10.003. むとう整形外科・MRIクリニック 【門真南駅から徒歩0分】むとう整形外科・MRIクリニック|鶴見区・大東市・守口市からのアクセス便利