2025.12.23 Tue. 【医師監修】肋骨骨折の完全ガイド|重症度別の治療アプローチを解説 骨折 目次1 肋骨骨折の診断法と重症度の評価1.1 肋骨骨折の好発部位と典型的な症状1.2 レントゲン検査による骨折の特定方法2 肋骨骨折の治療法と経過2.1 保存療法の選択肢とその効果2.2 手術療法の適応と手術後の経過2.3 治療期間の目安と通院の必要性2.4 日常生活への復帰時期とサポート体制3 まとめ4 参考文献 肋骨骨折の診断法と重症度の評価 肋骨骨折は、交通事故や転倒、激しい咳など、様々な原因で起こります。日常生活で何気なくしている動作で骨折するケースもあり、決して他人事ではありません。 強い痛みや呼吸困難といった症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。そのため、早期に適切な診断と治療を受けることが重要です。 このセクションでは、整形外科専門医の立場から、肋骨骨折の診断方法と重症度の評価について、具体的に解説します。 肋骨骨折の好発部位と典型的な症状 肋骨は、胸郭を取り囲むように12対、左右合わせて24本存在します。その中でも、特に肋骨の中央部、第4肋骨から第9肋骨にかけて骨折しやすい傾向があります。これは、この部分が胸郭の中で最も突出しているため、外部からの衝撃を受けやすいからです。 骨折すると、以下のような症状が現れます。 局所の痛み: 骨折した部分に鋭い痛みを感じます。深呼吸や咳、くしゃみ、体をひねる動作などで、痛みが悪化することがあります。安静にしていてもズキズキと痛むこともあります。 圧痛: 患部を軽く押すと、強い痛みを感じます。 腫れや皮下出血: 骨折部位周辺が腫れたり、青紫色に変色したりすることがあります。これは、骨折によって周囲の組織や血管が損傷するためです。 呼吸困難: 痛みによって呼吸が浅くなり、息苦しさを感じることがあります。特に、多発肋骨骨折の場合や、肺を損傷している場合は、呼吸困難が顕著になることがあります。 異常呼吸音: 肋骨骨折に伴って肺に損傷が生じている場合、呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった異常な呼吸音が聞こえることがあります。 レントゲン検査による骨折の特定方法 肋骨骨折の診断には、レントゲン検査が用いられます。レントゲン検査は、骨折の有無だけでなく、その部位や程度を確認するために非常に有効です。当院では、患者さんの状態に合わせて、以下のレントゲン検査を実施しています。 単純X線撮影: 胸部を正面と側面から撮影し、骨折線を特定します。比較的簡便な検査であり、骨折の診断に役立ちます。 CT検査: 単純X線撮影では判別が難しい場合や、合併症の有無を詳しく調べる必要がある場合に実施します。CT検査では、肋骨の骨折だけでなく、肺や心臓などの周囲臓器の損傷も確認できます。例えば、肺に穴が開いていないか(気胸)、肺が潰れていないか(肺挫傷)、出血が溜まっていないか(血胸)などを調べることが可能です。 レントゲン検査の結果を基に、適切な治療方針を決定します。 肋骨骨折の治療法と経過 肋骨骨折は、交通事故や転倒、激しい咳など、様々な原因で起こります。日常生活で何気なくしている動作で骨折するケースもあり、決して他人事ではありません。強い痛みや呼吸困難といった症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。整形外科専門医の立場から、肋骨骨折の治療法と経過について、具体的に解説します。 保存療法の選択肢とその効果 ほとんどの肋骨骨折は、手術をせずに保存療法で治療します。保存療法は、骨折した肋骨を固定したり、痛みをコントロールしたりすることで、自然に骨がくっつくのを待つ治療法です。まるで植物のツルが自然に支柱に巻き付いていくように、私たちの身体にも自然治癒力が備わっています。 主な保存療法は以下の通りです。 安静: 激しい運動や重いものを持ち上げることは避け、体を休ませることが重要です。これは、骨折部分を刺激しないようにすることで、自然治癒を促進するためです。 鎮痛薬: 痛みを和らげるために、内服薬や外用薬、注射などを使用します。痛みの程度や患者さんの体質に合わせて、適切な薬剤を選択します。当院では、患者さん一人ひとりの状況を丁寧に伺い、最適な鎮痛薬を選択しています。 呼吸訓練: 深呼吸や咳をすることで、肺の機能を維持し、肺炎などの合併症を予防します。痛みがある場合は、無理のない範囲で行うことが大切です。深呼吸は、肺に新鮮な酸素を取り込み、老廃物を排出するだけでなく、痛みの緩和にも繋がります。 サポーター: 肋骨を固定するサポーターやテーピングで、患部の安静を保ち、痛みを軽減します。サポーターは、まるで骨折した肋骨を優しく包み込む添え木のような役割を果たします。 保存療法の効果は骨折の程度や患者さんの状態によって異なりますが、多くの場合、数週間から数ヶ月で骨が癒合します。 手術療法の適応と手術後の経過 肋骨骨折は、ほとんどの場合保存療法で治療できますが、次のような場合には手術が必要となることがあります。 治療期間の目安と通院の必要性 肋骨骨折の治療期間は、骨折の程度や患者さんの状態、治療法によって異なりますが、一般的には3~4週間程度かかります。多発肋骨骨折や手術が必要な場合は、さらに長くなることもあります。 日常生活への復帰時期とサポート体制 肋骨骨折の治療期間は、骨折の程度や合併症の有無、年齢などによって個人差がありますが、一般的には3週間から2ヶ月程度です。 まとめ この記事では、肋骨骨折の診断から治療までを詳しく解説しました。肋骨骨折は、日常生活でも起こりうる身近なケガです。強い痛みや呼吸困難などの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診し、レントゲン検査などで適切な診断を受けましょう。 治療は、骨折の本数や合併症の有無によって保存療法か手術療法かが選択されます。保存療法では、安静、鎮痛薬、呼吸訓練などが行われ、多くの場合で自然治癒が期待できます。手術が必要な場合は、金属プレートなどで骨折部を固定します。 治療期間は骨折の程度によって異なりますが、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。完治に向けては、定期的な通院と医師の指示に従った治療が不可欠です。痛みや呼吸困難などの症状が続く場合は、ためらわずに医師に相談し、適切な対応を受けましょう。早期の治療で、日常生活へのスムーズな復帰を目指しましょう。そして、ご自身の状態に合った治療法を選択し、安心して治療に専念してください。 参考文献 Anderson TN, Earley M, Rockwood SJ, Zudock EJ, Steeman SL, Footman JK, Castro S, Myers AA, Flojo RAB and Forrester JD. “Post-discharge complications and follow-up timing after hospitalization for traumatic rib fractures.” European journal of trauma and emergency surgery : official publication of the European Trauma Society 51, no. 1 (2025): 78. むとう整形外科・MRIクリニック 事務、受付、リハビリ助手(パート) ランナー膝を治す方法|整形外科専門医が教える効果的なアプローチ 新年診療のご案内 1月5日(月)より 新年のごあいさつ 肩こりの最新治療|ハイドロリリース(筋膜リリース)について解説