2026.5.27 Wed. テニスをして肩が痛い|原因、治療、対処法まで専門医が解説 スポーツ 肩 目次0.1 テニスで起こる肩の痛みの原因0.1.1 腱板損傷(腱板炎、腱板断裂)0.1.2 肩峰下インピンジメント症候群0.1.3 上腕二頭筋長頭腱炎0.1.4 石灰沈着性腱板炎0.2 テニス肩痛の治療法と適切な医療機関の選び方0.2.1 保存療法(投薬、注射、リハビリテーション)0.2.2 手術療法(関節鏡手術など)0.2.3 テニスへの復帰時期0.2.4 専門医・専門病院の探し方0.3 テニス肩痛の予防と再発防止策0.3.1 適切なウォーミングアップとクールダウン0.3.2 正しいテニスフォームの習得0.3.3 テーピングやサポーターの活用0.3.4 肩周りの筋力トレーニング0.4 まとめ1 門真南駅0分|むとう整形外科・MRIクリニック|鶴見・大東・守口・京橋 テニスで起こる肩の痛みの原因 テニスは、肩を大きく動かすスポーツです。そのため、肩への負担が大きく、痛みを生じやすいスポーツでもあります。肩の痛みは、プレーの質を低下させるだけでなく、日常生活にも支障をきたすことがあります。原因を理解し、適切な対処をすることが大切です。肩の痛みは、放置すると悪化することもあります。早期に専門医を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。 腱板損傷(腱板炎、腱板断裂) 回旋腱板とは、肩甲骨から上腕骨についている、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱の集まりのことです。これらが集まって板状になっているため「腱板」と呼ばれています。この腱板が炎症を起こした状態が腱板炎、さらに悪化して腱板が部分的あるいは完全に断裂した状態が腱板断裂です。 テニスでは、サーブやスマッシュのように腕を繰り返し頭上に上げる動作で、腱板に大きな負担がかかります。特に、腕を上げる時に肩甲骨と上腕骨が衝突しないように、腱板がクッションの役割を果たしています。このため、繰り返しの動作で腱板が挟み込まれて炎症を起こしやすくなります。 加齢も腱板損傷のリスクを高めます。年齢を重ねると、腱の柔軟性や強度が低下し、損傷しやすくなるためです。60歳で約25%、70歳では約半数の人が腱板断裂を経験するとの報告もあります。 肩峰下インピンジメント症候群 肩峰下インピンジメント症候群とは、腕を上げた時に、肩峰(肩の先端にある骨)と上腕骨頭(腕の骨の上端)の間で、回旋腱板や肩峰下滑液包(クッションの役割をする組織)が挟み込まれて痛みを生じる状態です。 テニスのように、腕を頭上に上げる動作を繰り返すと、肩峰と上腕骨頭の間が狭くなり、回旋腱板などが挟み込まれやすくなります。これが繰り返されると、炎症や腫れが生じ、痛みが発生します。 特に、腕を水平より上に上げた時に痛みが強くなるのが特徴です。安静時にも鈍い痛みがある場合もあります。 上腕二頭筋長頭腱炎 上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」を作る筋肉です。この筋肉の腱が、肩関節の前を通っていますが、この腱が炎症を起こした状態が上腕二頭筋長頭腱炎です。 テニスでは、サーブやストロークで腕を繰り返し使うため、上腕二頭筋長頭腱にも負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。肩の前方に痛みを感じ、特に腕を上げたり、ひねったりする際に痛みが強くなります。 石灰沈着性腱板炎 石灰沈着性腱板炎は、回旋腱板にカルシウムの結晶が沈着し、炎症や痛みを引き起こす疾患です。なぜカルシウムが沈着するのか、はっきりとした原因は分かっていません。40~50歳代に多く発症し、女性に多い傾向があります。 激しい痛みを伴うことが特徴で、安静にしていても痛みがある場合や、夜間に痛みが強くなる場合もあります。多くの場合、自然に沈着したカルシウムは体内に吸収され、数日から数週間で症状は改善します。 テニス肩痛の治療法と適切な医療機関の選び方 保存療法(投薬、注射、リハビリテーション) 保存療法とは、手術を行わずに痛みを和らげ、肩の機能を回復させる治療法です。多くの場合、まずはこちらの保存療法から開始します。当院でも、手術が必要な場合を除き、保存療法を第一選択としています。 投薬: 痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤を処方することがあります。これらの薬は、痛みを感じにくくしたり、炎症を抑えたりすることで、日常生活やスポーツ活動を楽に行えるようにサポートします。 注射: 痛みが強い場合や炎症がひどい場合には、ステロイド注射を行うことがあります。ステロイドには強力な抗炎症作用があり、痛みの軽減に効果的です。ただし、ステロイド注射は、効果が強力な反面、副作用のリスクも存在するため、医師の判断のもと慎重に適用されます。 リハビリテーション: 肩関節の動きを改善し、周囲の筋肉を強化するための運動療法を行います。理学療法士の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなど、個々の状態に合わせたプログラムを作成します。肩甲骨や胸郭の柔軟性を高める運動も重要です。これらの運動は、肩関節の安定性を高め、再発予防にもつながります。 安静: 痛みが強い時期は、テニスはもちろん、肩に負担がかかる動作は控えましょう。炎症が治まるまでは安静にすることが重要です。炎症期に無理をしてしまうと、症状の悪化や慢性化につながる可能性があります。 手術療法(関節鏡手術など) 保存療法で効果が見られない場合や、腱板断裂などの重症例では、手術が必要となる場合があります。 関節鏡手術: 関節鏡という小さなカメラを挿入し、関節内部の状態を確認しながら行う手術です。傷口が小さく、体に負担が少ないため、早期の回復が期待できます。腱板断裂の修復や、インピンジメントの原因となっている骨棘の切除などを行います。関節鏡手術は、従来の手術に比べて低侵襲であり、入院期間の短縮や日常生活への早期復帰を可能にします。 テニスへの復帰時期 テニスへの復帰時期は、痛みの程度や治療法、回復状況によって大きく異なります。焦らずに、医師や理学療法士と相談しながら、徐々に練習を再開することが大切です。一般的には、保存療法の場合は数週間から数ヶ月、手術療法の場合は数ヶ月から半年程度かかるとされています。 痛みが完全に消失し、肩の機能が回復してから、本格的な練習を再開するようにしましょう。復帰後も、再発予防のために、適切なウォーミングアップやクールダウン、正しいフォームの習得を心がけることが重要です。スポーツ復帰を急ぎすぎると、再発のリスクが高まるため、医師の指示に従うことが重要です。 専門医・専門病院の探し方 整形外科の中でも、肩関節の治療を得意とする専門医がいる病院を選ぶことが大切です。日本整形外科学会や日本肩関節学会などのウェブサイトで、専門医の情報を探すことができます。また、口コミサイトや知人の紹介なども参考になります。セカンドオピニオンを求めることも有効な手段です。複数の医師の意見を聞き、自分に最適な治療法を選択しましょう。 当院では、肩関節疾患の専門医が、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供いたします。肩の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。 テニス肩痛の予防と再発防止策 適切なウォーミングアップとクールダウン ウォーミングアップは、運動前に筋肉を温めて血流をよくすることで、怪我をしにくくする準備運動です。クールダウンは、運動後の筋肉の疲労を和らげ、痛みや炎症を抑えるための整理運動です。これらを適切に行うことで、肩への負担を軽減し、怪我の予防につながります。 ウォーミングアップ例 肩回し:腕を大きく回す、肘を曲げて小さな円を描くように回すなど、肩関節を様々な方向に動かすことで、筋肉や関節を温めます。 肩甲骨寄せ:肩甲骨を背骨に寄せるように意識して、腕を前後に動かすことで、肩甲骨周りの筋肉を活性化させます。肩甲骨の動きが良くなると、肩関節の安定性も向上します。 クールダウン例 ストレッチ:肩や腕の筋肉をゆっくりと伸ばすことで、筋肉の緊張を和らげ、疲労物質の排出を促します。 正しいテニスフォームの習得 間違ったフォームでテニスを続けると、肩に過度な負担がかかり、痛みや怪我の原因となります。特に、サーブやスマッシュのような腕を頭上に上げる動作は、肩関節に大きなストレスを与えます。正しいフォームを身につけることは、肩の痛みを予防するだけでなく、パフォーマンス向上にも繋がります。自分一人でフォームを修正するのは難しいので、専門家(コーチやトレーナー、理学療法士など)に指導してもらうのが効果的です。 テーピングやサポーターの活用 テーピングやサポーターは、肩関節をサポートすることで負担を軽減し、痛みを予防・軽減する効果が期待できます。痛みがある時だけでなく、予防的に使うこともおすすめです。適切なテーピングやサポーターを使用することで、肩関節の安定性を高め、怪我のリスクを減らすことができます。 テーピング: 関節の動きを制限したり、筋肉をサポートするなど、目的に合わせて様々な貼り方があります。専門家に適切なテーピング方法を指導してもらうことで、より効果的に使用できます。 サポーター: 肩関節を圧迫・固定することで、痛みを軽減し、関節を保護します。サポーターの種類も様々ですので、ご自身の症状や目的に合ったものを選ぶことが重要です。 肩周りの筋力トレーニング 肩周りの筋肉を鍛えることで、肩関節を安定させ、負担を軽減できます。トレーニングは、痛みがない範囲で行い、無理をしないことが大切です。特に、回旋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる肩関節のインナーマッスルは、肩関節の安定性に重要な役割を果たしています。インナーマッスルを鍛えることで、肩関節の安定性を高め、怪我の予防に繋がります。 インナーマッスルの強化: 棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などのトレーニングが有効です。チューブトレーニングや軽いダンベルを用いたトレーニングが効果的です。これらの筋肉は比較的小さな筋肉であるため、高負荷のトレーニングは必要ありません。低負荷で正しいフォームで行うことが重要です。 アウターマッスルの強化: 三角筋や広背筋などの大きな筋肉を鍛えることも重要です。これにより、肩関節の動きをスムーズにし、怪我のリスクを軽減できます。インナーマッスルとアウターマッスルをバランスよく鍛えることで、より効果的に肩関節を保護することができます。 上記に挙げた予防策と再発防止策を継続して行うことで、テニス肩痛を予防し、再発を防ぎ、長くテニスを楽しんでいきましょう。また、肩の痛みを感じた場合は、自己判断せずに、医療機関を受診するようにしてください。整形外科を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。 まとめ テニスによる肩の痛みは、回旋腱板損傷、肩峰下インピンジメント症候群、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎など様々な原因が考えられます。治療法は保存療法から手術療法まで幅広く、症状や原因に合わせた適切な治療が必要です。テニスを長く楽しむためには、正しいフォームの習得やウォーミングアップ・クールダウン、テーピング・サポーターの活用、肩周りの筋力トレーニングなど、日頃から予防と再発防止に努めることが大切です。肩の痛みを感じたら、自己判断せず、速やかに整形外科を受診し、専門医の診断を受けましょう。当院では、レントゲンはもちろん、必要に応じて当日予約可能なオープンMRIを用いた詳細な診断を行っています。スポーツをされているお子様から大人の方まで、門真市だけでなく、大阪市鶴見区、大東市、守口市、寝屋川市、四條畷市など専門的な診断を希望される多くの患者様にご来院いただいております。 予約はこちら https://ssc11.doctorqube.com/muto-seikei/ 門真南駅0分|むとう整形外科・MRIクリニック|鶴見・大東・守口・京橋