2025.9.11 Thu. ぎっくり腰の注射治療|効果と副作用|痛みからの即効性のある解放法 腰 目次1 ぎっくり腰に効果的な注射治療4つの種類1.1 トリガーポイント注射1.2 神経ブロック注射1.3 硬膜外ステロイド注射1.4 仙腸関節注射2 ぎっくり腰の注射治療:メリット・デメリット2.1 注射治療のメリット:即効性のある痛みの緩和、日常生活への早期復帰2.2 注射治療のデメリット:副作用の可能性、効果の持続時間2.3 注射治療後の注意点と再発予防3 まとめ4 参考文献 ぎっくり腰に効果的な注射治療4つの種類 ぎっくり腰は、急に腰に激痛が走る、まさに「魔女の一撃」とも呼ばれる恐ろしい症状です。くしゃみや咳といった些細な動作がきっかけで発症してしまうこともあり、誰しもが経験する可能性のある身近な疾患と言えるでしょう。 一刻も早く痛みから解放されたいと願うのは当然のことです。そこで今回は、即効性のある治療法として注目されている「注射」について詳しく解説します。ぎっくり腰に用いられる注射にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や効果が異なります。どの注射がご自身の症状に適しているのか、一緒に見ていきましょう。 トリガーポイント注射 トリガーポイント注射とは、痛みの発信源となっている筋肉の凝り(トリガーポイント)に直接、局所麻酔薬を注射する治療法です。肩こりの治療にも用いられるこの注射は、筋肉の過剰な緊張を和らげ、痛みを軽減する効果が期待できます。ぎっくり腰の場合、腰や臀部の筋肉にトリガーポイントが存在することが多く、ピンポイントでその場所に注射することで効果を発揮します。注射針は1cm程度と比較的浅く刺すため、体への負担も少ないのが特徴です。費用も比較的安価で、3割負担で約240円程度です。 神経ブロック注射 神経ブロック注射は、痛みを伝える神経の周囲に局所麻酔薬と抗炎症薬(ステロイド)を注射することで、痛みをブロックし、炎症を抑える治療法です。効果の持続期間は数時間から数週間と個人差があり、複数回の注射が必要になる場合もあります。 硬膜外ステロイド注射 硬膜外ステロイド注射は、神経ブロック注射の一種で、背骨の隙間にある硬膜外腔という場所に局所麻酔薬とステロイドを注射する治療法です。腰痛の原因となる神経の炎症を抑え、慢性的な腰痛を和らげる効果が期待できます。ある研究では、腰痛に対する硬膜外ステロイド注射の有効性が評価されており、痛みの緩和に役立つ可能性が示唆されています。 具体的には、ヘルニアや脊柱管狭窄症といった慢性的な腰痛に悩まされている患者さんに対して、この注射が用いられることがあります。 仙腸関節注射 仙腸関節注射は、仙腸関節に局所麻酔薬を注入する治療法です。 仙腸関節は、骨盤の一部である仙骨と腸骨の間にある関節で、この関節に機能障害が起こると、腰痛の原因となることがあります。仙腸関節の痛みを直接的に和らげる効果があり、他の治療法で効果がなかった場合に試されることがあります。 ぎっくり腰の注射治療:メリット・デメリット 注射治療のメリット:即効性のある痛みの緩和、日常生活への早期復帰 注射治療の最大のメリットは、即効性のある痛みの緩和です。 ぎっくり腰の痛みは、炎症が原因で起こります。注射によって直接、炎症を抑える薬を患部に届けることで、痛みが速やかに軽減されます。例えば、神経ブロック注射では、局所麻酔薬とステロイドを患部に注入することで、痛みを伝える神経の働きを抑え、炎症も鎮めます。 内服薬の場合、効果が出るまでに30分から1時間程度かかることもありますが、注射治療では5分~10分程度で効果が現れることが多いです。 これは、薬が患部に直接届くためです。特に、痛みが強く、日常生活に支障が出ている場合は、注射治療によって早期に痛みをコントロールし、日常生活への復帰を早めることができるでしょう。 痛みの原因や程度に合わせて適切な注射を選択することで、日常生活への早期復帰が期待できます。 注射治療のデメリット:副作用の可能性、効果の持続時間 注射治療は即効性がある一方で、副作用の可能性も存在します。 注射部位の痛みや腫れ、内出血、アレルギー反応などが起こる可能性があり、稀ではありますが、感染症や神経損傷などの重篤な副作用が起こる可能性も否定できません。 これらの副作用は適切な処置を行えば多くの場合改善しますが、不安な方は医師に相談することが大切です。 効果の持続時間は、注射の種類や個人の状態によって異なり、トリガーポイント注射は数時間から数日程度と比較的短い一方、神経ブロック注射は数日から数週間効果が持続しますが、痛みが再発することもあります。効果が切れた場合は、注射を再度行うこともあります。 注射治療後の注意点と再発予防 注射治療後、安静が必要な場合もあります。医師の指示に従い、安静を保ち、患部を温めたり、マッサージしたりするのは避け、患部を冷やすようにしましょう。 ぎっくり腰は再発しやすい疾患です。日常生活での予防として、重いものを持ち上げるときは、膝を曲げて腰を落とし、腰への負担を軽減することが重要です。また、適度な運動で筋力をつけ、ストレッチで身体を柔らかく保つことも効果的です。正しい姿勢を意識することも再発予防につながります。 まとめ ぎっくり腰の注射治療について、種類、メリット・デメリット、費用、注意点などを解説しました。ぎっくり腰は誰にでも起こりうる身近な疾患です。注射治療は即効性のある痛みからの解放につながる一方、副作用や費用などのデメリットも理解しておく必要があります。それぞれの治療法の特徴を理解し、ご自身の症状や状況に合った最適な治療法を選択しましょう。また、日常生活での予防策を心がけることで、再発のリスクを減らし、健康な毎日を送る助けとなるでしょう。 参考文献 Shelton S, Yochum A DO, Walker E and Waters N. “Effectiveness of Epidural Steroid Injections for Low Back Pain.” American family physician 106, no. 1 (2022): 89-90. Newman DP and Soto AT. “Sacroiliac Joint Dysfunction: Diagnosis and Treatment.” American family physician 105, no. 3 (2022): 239-245. 投球障害予防に関する共著論文が掲載されました。 ぎっくり腰の注射治療|効果と副作用|痛みからの即効性のある解放法 レントゲンで問題がないと言われた肩関節|MRI撮影するとわかること。 野球肘の治療法|年齢・重症度別の効果的なアプローチ バスケットボールで起こる怪我。専門医が原因から治療法まで解説 門真市三ツ島・門真南駅から徒歩0分の便利な整形外科。肩、膝、腰、頭痛、物忘れ、しびれでお悩みの方に!MRIによる精密検査と患者様一人ひとりに合わせた丁寧な治療で、痛みや不調を改善します。リハビリ、スポーツ、変形性関節症、リウマチ、交通事故、体外衝撃波など、幅広く対応しております。鶴見区・大東市・守口市からもアクセスが良く通いやすいです。